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共働き家庭の住宅購入、ペアローンの意外なリスクとは?
共働き家庭にとって、マイホームの購入は大きな決断です。住宅ローンの審査では夫婦の収入を合算できるため、ペアローンを選ぶケースも少なくありません。ただ、その一方で「借入額が増やせるから安心」と思って進めた結果、後々思わぬ負担やトラブルにつながることもあります。
特に子どもの出産や転職、どちらかが働けなくなる状況が発生したとき、返済計画に影響が出る可能性は十分に考えられます。また、離婚や名義の問題など、夫婦共有のローンには注意すべき点がいくつもあります。
この記事では、共働き家庭が住宅購入を検討する際に知っておきたい基本的な考え方や、ペアローンを選ぶ前に押さえておきたいリスク、そして安心して返済していくための具体的な工夫について、順を追って詳しく解説していきます。
共働きで住宅購入を考えるときに意識したいこと
共働き世帯が住宅を購入する場合、収入が2本柱になることから予算を高めに設定しがちです。しかし、住宅ローンは何十年にもわたる長期の契約であり、ライフスタイルの変化によって家計のバランスが変わる可能性もあります。安心して暮らし続けるためには、今の収入だけに頼らず、将来を見据えた計画が重要です。
家計全体で無理のない予算設定をする
現在の世帯収入だけで返済可能額を見てしまうと、思わぬ家計の圧迫につながることがあります。たとえば、車の買い替えや教育費の増加など、将来的な支出も視野に入れたうえで、生活にゆとりが持てる予算を立てることが大切です。住宅ローンだけでなく、光熱費や修繕費といった固定費も見落とせません。
将来のライフイベントを見据えた計画が重要
出産や育児、転職、親の介護など、将来的なライフイベントによって収入や支出は大きく変化します。たとえば、出産を機に時短勤務や退職を選ぶ場合、ペアローンの返済が負担になることもあります。購入のタイミングやローンの借入方法を検討する際は、これからのライフプランをなるべく具体的に想定しておくと安心です。
どちらかの収入が減った場合のリスクも想定する
共働きで住宅ローンを組む場合、どちらか一方の収入に不測の事態が起きたときの備えも必要です。病気や転職などで収入が減ると、毎月の返済が家計に重くのしかかることがあります。住宅ローンは「借りられるか」ではなく「無理なく返していけるか」で考える視点が欠かせません。予備費の確保や保険の見直しもあわせて検討しておくと安心です。
ペアローンとは?共働き家庭でよく利用される理由
共働き世帯が住宅購入を検討する際、選択肢のひとつとして挙がるのがペアローンです。夫婦それぞれが住宅ローンを契約するこの仕組みは、借入可能額を増やせるという特徴があり、希望の物件を手に入れやすくなる一方で、制度の仕組みを理解していないと将来的なリスクに気づきにくい側面もあります。ここでは、ペアローンが選ばれる理由とその内容を詳しく見ていきます。
借入可能額が増える仕組み
ペアローンの主な利点は、夫婦それぞれが借入を行うため、合計の借入額を大きくできる点にあります。たとえば、単独では3000万円までしか借りられない場合でも、2人で2000万円ずつ借りれば合計4000万円のローンを組むことが可能になります。これにより、立地や間取りに妥協せず、より希望に近い住宅を検討しやすくなります。
住宅ローン控除を夫婦それぞれに適用できる
もう一つの特徴として、住宅ローン控除が夫婦それぞれに適用される点が挙げられます。控除の対象となるのは、個人が契約した住宅ローンの年末残高です。つまり、ペアローンを利用すれば、それぞれが自分の借入分に対して控除を受けられるため、全体としての節税効果が高くなる可能性があります。
夫婦共有名義にできることのメリットと注意点
共有名義で住宅を購入できる点も、ペアローンのよくある特徴です。資産を公平に保有できるという安心感があり、夫婦で協力して住宅を取得するという意味でも、納得のいく形をとりやすくなります。ただし、名義が分かれている分、後々売却や相続の際には手続きが複雑になりやすいため、将来の状況も想定しながら決定することが必要です。
ペアローンの意外なリスクとは
ペアローンには借入額の拡大や控除の活用などのメリットがありますが、一方で見落とされがちな注意点も存在します。制度上は夫婦それぞれが独立してローンを組む形になるため、想定外の事態が起きた際に、単独ローンとは異なる負担や手続きの複雑さが生じることがあります。ここでは、利用前に確認しておきたい主なリスクを整理します。
片方が働けなくなったときの返済負担
夫婦で収入を合算して住宅ローンを組む場合、どちらか一方の収入が減少すると返済に大きな影響が出ます。たとえば、病気や育児、介護、転職などによって収入が途絶えた場合、もう一方に返済の全負担がのしかかる可能性があります。ペアローンではお互いがそれぞれのローンを負っているため、片方の返済ができなくなっても、もう一方の契約には影響しません。これが結果的に、家計全体に重い負担を与えることがあります。
離婚時のローン処理の複雑さ
ペアローンを利用している場合、万が一離婚という選択をすることになった際、ローンの取り扱いは非常に複雑になります。どちらか一方が住み続ける場合でも、名義やローン契約が絡むため、売却や借り換えの手続きが必要になることがあります。特に共有名義の場合は持分に応じた資産分与の協議が必要となり、スムーズに処理するのが難しくなるケースもあります。
団体信用生命保険の範囲に注意が必要
通常の住宅ローンでは、契約者が死亡や高度障害になった際に残債が免除される団体信用生命保険(団信)に加入しますが、ペアローンでは夫婦それぞれが個別に加入します。つまり、一方に万が一のことがあっても、もう一方のローンは残り続けるという点に注意が必要です。また、団信の保障内容は金融機関や商品によって異なるため、契約前に保障範囲をきちんと確認することが大切です。
共働きでも安心できる住宅ローンの組み方
ペアローンを検討している共働き世帯にとって、長期にわたるローン返済に無理がないかどうかは大きな判断材料です。家計に余裕を持たせつつ、万が一の事態にも対応できるようにするためには、ローンの組み方に工夫が必要です。ここでは、日常生活を安定させながら住宅ローンを返済していくための具体的な考え方を紹介します。
片方の収入だけでも返済できる金額に設定する
理想的なのは、どちらか一方の収入だけでも無理なく返済できる返済額にすることです。特に、育児や介護、病気などで一時的に収入が減る場面は、誰にでも起こり得ます。住宅購入後に収入が変化しても生活に支障が出ないよう、家計の基本支出を把握したうえで、返済比率を慎重に見極めることが大切です。
ペアローン以外の選択肢を知る
ペアローンだけが共働き世帯の選択肢ではありません。たとえば、夫婦のどちらか一方がローンを組み、もう一方が保証人になる「連帯保証型」や「連帯債務型」などもあります。これらは、ローンの返済責任を共有しつつ、契約者は1人という仕組みで、住宅ローン控除などの取り扱いが異なります。状況に応じて、最も負担の少ない方法を比較検討することが重要です。
固定費を見直して家計にゆとりをつくる
返済の負担を軽くするためには、収入だけでなく支出の見直しも効果的です。特に保険料や通信費などの固定費は、見直し次第で長期的に大きな節約につながります。家計にゆとりが生まれれば、繰上返済や将来の貯蓄に充てることも可能になります。住宅購入のタイミングで一度、家計全体を整理しておくと安心です。
住宅購入後にかかる費用も見据えた資金計画
住宅の購入はゴールではなく、新しい生活のスタートです。物件を手に入れたあとも、毎月のローン返済以外に継続して発生する費用があります。これらを事前に把握していないと、予定外の出費に戸惑うこともあるため、長期的な視点での資金計画が欠かせません。ここでは、購入後に必要となる費用の具体例と、それに備えるための考え方を紹介します。
固定資産税やメンテナンス費用を考慮する
住宅を所有すると、毎年の固定資産税が発生します。物件の所在地や構造によって金額は異なりますが、想像以上の負担になるケースもあります。また、住宅は年数とともにメンテナンスが必要になります。外壁の塗り替えや給湯器の交換など、定期的な修繕費を見込んでおかないと、突発的な出費が家計に影響を与えることになります。
子どもの教育費とのバランスをとる
家庭によっては、住宅購入と子どもの進学時期が重なる場合があります。特に私立学校への進学や習い事など、教育費のピークは予想よりも早く訪れることもあります。家を買った直後はローン返済に意識が集中しがちですが、数年後の教育費を見越した家計設計をしておくことで、急な費用増にも対応しやすくなります。
万が一に備える貯蓄も必要
病気や失業など、収入が減少するリスクは誰にでもあります。そうした場合でも安心して暮らせるよう、日頃から生活防衛資金を確保しておくことが大切です。理想は、生活費の6か月分程度の貯蓄を確保することですが、少しずつでも計画的に積み立てることが現実的です。住宅ローンを組んだあとも、貯蓄を継続する習慣が将来の安心につながります。
住宅会社や土地選びのポイント
住宅購入では「どんな家を建てるか」だけでなく、「誰に相談して建てるか」「どこに建てるか」といった選択も、暮らしの満足度に大きく関わってきます。特に初めての購入では、住宅会社の違いや土地の選び方がわかりにくいことも多いため、冷静に比較しながら検討を進めることが大切です。ここでは、住まいづくりを始める際に押さえておきたい基本的なポイントを紹介します。
立地や生活動線に合った土地を選ぶ
通勤・通学のしやすさ、買い物の利便性、周辺の環境など、土地選びでは立地が暮らしやすさを大きく左右します。特に共働き世帯の場合、駅までの距離や保育園・学校の位置関係、親のサポートを受けられるかどうかも重要な視点です。日常の動線をイメージしながら、無理のない生活スタイルに合ったエリアを検討しましょう。
住宅性能と価格のバランスを見る
住宅会社を選ぶ際は、価格だけでなく性能にも目を向けることが必要です。断熱性や耐震性、省エネ性など、見た目ではわからない部分こそ、長く安心して住むためには重要です。また、モデルハウスではオプションが多く含まれていることもあるため、標準仕様との違いを事前に確認しておくと、予算のズレを防げます。
営業担当者との相性も重視する
同じ住宅会社でも、担当者によって提案力や対応の丁寧さに差があることがあります。契約後も長く付き合っていく存在だからこそ、自分たちの話をよく聞いてくれるか、専門的なことをわかりやすく説明してくれるかなど、信頼できる担当者に出会えるかどうかは大切な要素です。見積もりや間取りの内容に不明点がある場合は、遠慮せず確認することが安心につながります。
おうちの買い方相談室 さいたま中央店・所沢店ができること
住宅購入は、人生で最も大きな買い物のひとつです。資金計画、住宅会社の選定、土地探しなど、多くの選択肢の中から最適な判断をしていく必要があります。その中で、特定の住宅会社や金融機関に属さない中立的な立場からアドバイスを受けられる存在があると、判断に迷ったときの大きな支えになります。おうちの買い方相談室 さいたま中央店・所沢店では、こうした不安や悩みに寄り添いながら、住宅購入をトータルにサポートしています。
中立的な立場から、無理のない選択をサポート
私たちは住宅会社や銀行の営業担当ではなく、購入者の立場に立ってアドバイスを行う専門家です。住宅会社の見積もり内容や、営業トークではわかりづらい部分も一緒に確認しながら、ご家庭に合った選択ができるようお手伝いしています。特定の商品や会社をすすめることはなく、複数の選択肢の中から冷静に判断できる環境を整えることを大切にしています。
住宅購入に特化した「マイホームFP」が在籍
家計と住宅購入の両面を見ながらサポートできるのが、当店の大きな強みです。通常のファイナンシャルプランナーとは異なり、「マイホームFP」は住宅購入に特化した知識と経験を持つ専門スタッフです。世帯年収や支出の状況、将来の教育費・老後資金などを踏まえたうえで、「借りられる金額」ではなく「返していける金額」に基づいた資金計画をご提案しています。
購入後の生活まで見据えた継続的な支援
マイホーム購入はあくまでもスタート地点です。引き渡し後も、住宅ローン控除の手続き、ライフステージの変化に応じた保険や家計の見直し、将来的なリフォームや修繕の相談まで、幅広くサポートを行っています。また、固定費を見直して家計のゆとりをつくることで、住宅にかけられる予算を再構成するご提案も可能です。こうした総合的な支援を通じて、無理のない家づくりと安心できる暮らしを応援しています。
まとめ
共働き世帯にとって住宅購入は、生活の質を大きく左右する重要なライフイベントです。特にペアローンは、収入を合算できるという点で魅力的に映るものの、万が一のときの返済リスクや離婚時の対応など、あまり知られていない注意点も含まれています。制度のメリットだけでなく、実際の生活や将来の変化を見越して判断することが必要です。
住宅ローンは「借りられる金額」ではなく「返していける金額」を基準に考えることが、家計を圧迫せずに暮らしを守る第一歩です。また、購入後も固定資産税や修繕費、教育費など、さまざまな支出が発生します。住宅そのものだけでなく、その後の生活設計まで視野に入れた計画を立てておくと安心です。
おうちの買い方相談室 さいたま中央店・所沢店では、共働き世帯の住宅購入におけるさまざまな不安に寄り添いながら、中立的な立場でアドバイスを行っています。住宅会社の紹介や見積もりのチェック、家計の見直しを含めた資金計画のサポートなど、第三者としての視点で一緒に進めることができます。
無理のない住宅購入を実現するために、まずは一度ご相談ください。